ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【パラノマサイト】感想3:クリアしました

しました。心の中では「しましたぁぁぁぁ~!!!」と喜びに花が咲き天使が舞い上がっているものの、表に出すとなるとどうしても「しました(スン)」みたいな反応になります。なぜ。

とりあえずネタバレ感想をドンドコ綴ります。思いっきし本編の内容に触れてますのでご注意ください。少しでも面白そう、やってみたいと思った方はご自身でプレイされることをお勧めします!





大筋を知り、話にひと段落ついたあたりで「ヨッシャこっから葉子さんの洗脳状態を解く壮大なパートが幕開けだ!」と思ったらわりとあっさり終わってしまいました。
そもそも葉子さんは操られてはいなかったという。素面であの状態だったのか……ならばもう救いようがない。。。自分(プレイヤー)ですらそう思うのだから、興家君の落胆はいかばかりだったでしょう。想像すると気の毒です。

あともう12時間ほどかけるつもりでいたので、爆速で終わってしまったのはかなり残念。まだまだキャラクターたちのテンポよい掛け合いを聞いていたかったです。
うしろ髪引かれる思いですが、とりあえず真相を暴くことができました。終わりよければすべてヨシ!!


全パートをふり返ってまず思うのは、興家君めっちゃ怖いなということ。
わりと重要な役どころなのにほぼ誰からも認知されてないのが不気味。興家君を認識してるの弓岡さんくらいでは?
晴曼の子孫として覚醒するまでは、死亡か呪殺無双かの両極端ですし。あと葉子さんの「秘術を求めるわけ」をあっさり受け入れるのも怖い。気持ちはわからんでもないがもう少しツッコんでくれ!と思いました。

もしシリーズ化したら、いつか興家君は「謎の青年」として登場してくれる気がします。いろいろ助言してくれるのにメインストーリーには深く関わってこないという。
もしくは黒幕として出てきたりとか。真相判明後の弓岡さんとの会話を見るに、興家君闇落ちルートもありえそうで。
強い霊感を得たあとも、元の「ごく普通の会社員の青年」というメンタリティを保ってほしいです。


エアポケットのような特殊な立ち位置だった興家君に対し、シギマさん・津詰刑事・ヤッコさんルートはガッツリ交流がありました。またそれぞれ微妙にテイストも違っているのがおもしろかったです。

シギマさんパートはオカルトというよりも「新旧の凶悪犯罪」という現実的な話がメイン。かと思えば津詰刑事ルートで「心霊対策室」という秘匿部署が出てきたり、ヤッコさんルートではこっくりさんを行ったり。
それぞれのパートの主人公ー助手の組み合わせも個性豊かでした。

シギマさんパートは興家君の直後にやったこともあり、彼とは地の文がぜんぜん違っていて興味深かったです。
もともと物静かなタイプではあるのでしょうが、息子さんのことがあってから心が擦り切れ気味で感情を揺らす余裕がないのかなとか。そんな想像をすると彼女の語り口はどこか痛々しくてなりません。
ヤッコさん・シギマさん・麻由さんは、親しい人を失った者同士として仲良くしてほしい。タイプは違っても(特にシギマさん・麻由さん)、不思議とウマが合う3人な気がします。
なんて思っていたら、シギマさんの炎を鎮めたのはまさかのあやめさんでびっくり。容赦のない言葉ではありましたが、だからこそ響いたのでしょう。あやめさんもちゃんと津詰刑事の娘さんなんだなぁなんて思った次第。
終盤のシギマ・櫂・あやめのパートはグッとこみ上げるものがありました。

ただクッソ泣いたのはヤッコさんパートです。「また私と……一緒に遊んでもらえますか?」が切なくっていけません。いつか叶うとい゛い゛ね゛ぇ!!!と鼻啜ってました。


そして津詰刑事パートはひそかに「汚ねェドラゴンボール」と呼んでました。呪詛珠集めると願いが叶うやつ。ホントか&珠9つありますが。

序盤はとにかく並垣君への殺意が高くて笑う。「ウソついたらわかる」っちゅーてるのに、ことごとく浮かび上がる「呪詛行使」のボタン。いったいどんだけ嘘を重ねるんですか。
もしも並垣君を呪殺したら、エリオ刑事がどんな反応するのか気になります。今度やってみよう。

複数の呪詛珠を持っていても「津詰刑事なら適切に扱ってくれる」という安心感がハンパありません。これがもし興家君だったらきっと使いまくってました。
根島氏との対峙でも飄々として落ち着き払ってましたし。なのに娘さんのこととなると途端にポンコツになるのがおもしろすぎます。
けっきょく彼ら親子の間柄はどうなったのか。興家君覚醒後だと多くは語られませんけど、わだかまりが少しでも解けていればいいです。


そして語られなかったといえば「案内人」の正体。自分はずっとナカゴシ氏だと思ってましたが、ほんのわずかも正体については触れられませんでした。
シリーズ化できそう(しそう)な雰囲気ですし、次も出てきてくれるといいです。最初、フツーににこにこ顔のご老人だと思ってたので顔の上半分が仮面だとわかったときはかなりビビリました。

ストーリーはもちろん、絵柄・雰囲気・音楽・キャラクター造形と文句なしの作品でした。願わくばもう少し長く彼らの世界を眺めていたかったです。さらなる長編を作ってくれることを望みます。