【AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ】感想④完走した魂のさけび
龍木「クリアしたどー!!」
しました。キャッチコピー「あなたが、わたしのAIを引き裂いた」も納得の内容で、みんなそれぞれ胸が引き裂かれるような思いをしたり、実際に引き裂かれたり(物理)しながら迎えたゴールでした。
プレイ中、いったい何度泣きそうになったことか。あのソムニウムパートは二度とやりたくねぇでもやらねば進めぬとか、アクションパートむずいしんどい瞬時にボタン識別できないとか。なんとかクリアできて本当によかった……!
以下、ネタバレがあるので折りたたみます。長いです。
連続殺人事件を中心に、周囲を取り巻く人々の迷い・悩みや人間模様が描かれた作品でした。
冒頭でも触れましたが、登場人物それぞれが葛藤に「引き裂かれそうになっていた」んだなぁと。後悔が深すぎてみんなリドゥ(@カリギュラ2)に行きそうだ。
中でも印象的だったのは祥磨君です。
「世界が虚構じゃなかったら…これが本当の世界だったら…この苦しさも、本当のものになっちゃうじゃん…」
という呟きが切なかった。続く龍木の
「きれいな思い出だからこそ、つらさを増幅させる燃料になることもあるんだよ。(中略)きれいな心を持つ自分を否定して…閉じ込めて…それでやっとバランスが保ててるんだと思う」
という分析も、ああなるほどといたく納得。
あと麻芽ちゃんは、共感こそできませんでしたが印象的でした。
もっと早くヘルプ出そうねとか「後悔なんてしない!」と言いつつめちゃめちゃ後悔が透けてみえるねとか、思うところは多々あります。ただ、あの世界では「いくら迷おうとも彼女が進む道は定まっていたのでは?」とも思えてなりません。
アイボゥが言っていたように
「この世界に『もしも』なんてないんだ。いくら考え、思い悩んでも、一度選んでしまった道を引き返すことはできない」
という台詞はごく正しい。しかしあの世界で起こっているもろもろを考慮すると本当か? とも疑えてしまう。
時雨主宰が言うように、もしもこの世がシミュレーション、仮初だとしたら、みんなの迷いや悩み、果ては取った選択でさえ「あらかじめ決められたもの」かもしれないわけで。しかも実際、プレイヤー側からすればシミュレーション仮説は正しいと言わざるを得ません。
登場人物たちの迷いや選択に心を動かされつつ、彼女たちの葛藤も未来も「決められたもの」「変えられないもの」と思うと、なんかこう苦いものがこみ上げるというか。真の黒幕=プレイヤーという気がしてきます。
物語を楽しみつつ、しかしそんな自分にどこかひやりとさせられるという、なんとも複雑な気持ちで迎えたエンディングでした。
以下、登場人物について徒然。
信じられますか、この人、前作の主人公なんだぜ……? なんだかどんどんアホさが加速している気がする。
登場シーンは少なかったにも関わらず、絶妙な存在感を放っていたのがさすが前作主人公だなと。ラストバトルではアイボゥとの変わらない相棒っぷりにテンションが爆上がりしました。アイボゥの台詞もいい!
欲を言えば、ほんの一瞬でいいから伊達さんを操作させてほしかったです。
このあたりでずっと気になっていたことは、アイボゥが伊達さん・みずき間を行ったり来たりしていたこと。義眼(アイボゥ)は体内に入れるものなのに、そんなポンポンやりとしていいのかなと。
衛生面は科学の力でなんとかしてたにしても、こう、心情的に。みずきも年頃の娘さんですし「伊達の眼窩に埋まったものはイヤー!!」とかないのでしょうか。それとも義家族だからいいのか(?)
続いて龍木。
正直、伊達さんと彼は生き残れないと思ってました。特に龍木は99%無理だろうと。ぶじ生き延びてエライ。
彼は主人公の一角ながら、なかなか謎めいていると思います。飛び級したってことは海外にいたのか、「6年前に亡くなった双子の弟」はなんだったのか、そしてTCパージに感染したのは本当に地下大聖堂だったのか、などなど。
弟のことは、亡くなり方と「半身を失った」という表現から、物語に深く関わるのだと思ってました。
考えていたのは、実は生きていて「龍木来斗」は弟との二人一役だったとか、あるいは龍木が作り上げた人格で、トチ狂ってるときが弟人格なんじゃないかとか。しかしエピソードがたびたび出てくるわりにはそれ以上の言及がなく、意味深な余韻を残したまま終幕してしまいました。
弟、本当になんだったんだろう……。次作で関連する話が出てくるのかもしれません。
そして彼のTCパージ感染時期について。
ちゃんと検証してないので自分の勘違いかもしれませんが、感染したのが大聖堂・初入り時だとすると、0章で感染症状が出ていた(?)のはなぜなのか。
弟の件も合わせると、実はもっと前から感染していたんじゃないかな……時系列も経緯もすでにうろ覚えなので、きちんと検証したいと思います。
最後にみずき。小学生のときも可愛かったですけど、高3の姿が愛らしすぎるッ!
前作で両親を失い、養父ができたと思ったら即失踪というとことん家族運の乏しい彼女ですが、今作でお姉さんができて本当によかったねと。
ネエネは死にそうな気がしてめっちゃ応援してました。伊達さんにもなんだか死相が漂っているし、両親に続いて養父、そして姉まで失ったら耐えられん! 頼むから生き残ってくれ! とひたすら念じてました。無事でなにより……!
みずきだけでも可愛いのに、2倍とかいったいどうしろと? キュートの嵐。兵器か?
以下、エンディングより抜粋写真。
前作では度肝を抜かれたダンスシーンも、今作は予想できていたからかノリノリで迎えることができました。みんな可愛くてスクショが捗る。
はいキュート
Kawaii
So,cute!
リア充爆発!!
末永爆発!!!
エンディングは、主要人物たちののデュエットやトリオパートがあるのがすごく好きです。
あと踊る人と歌詞が紐づいている点も。特に好きなのは龍木&タマの
「いつかきっと王女様をね 助けに行く夢見てた」
「寝ぼけたこと言うのはやめて」
とか。厳ちゃんの
「あのMermaid待つ正午」
とか(泣ける……)。みずき&ネエネ(&アイボゥ)の
「強がりばかりの少女兵器」
「敵 薙ぎ払う勇姿Charmin'」
「ほんとは泣き虫 もろいHeart」
「泣き声はでもMute…」
とか! 伊達さんに聞かせてやりてぇよ。
ぶじクリアしたところで、今度は時系列にそって2周目をやっていこうと思います。出来事の順番がよくわかっていないのできちんと追いたい。
それにソムニウムパートで取りこぼしたメダマや衣装、アルバムの回収もしたいです。けっこう中身スカスカなので。
話の不気味さ・精密さもさることながら、キャラクター同士のかけあいが本当におもしろく見ていて飽きません。ドラマCDとか出してくれまいか……。
もう少し、この世界にひたってます。