ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

本-小説

【迷路館の殺人/時計館の殺人】「その館」ならではのストーリーとトリック

迷路館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫) 作者:綾辻行人 講談社 Amazon シリーズ第3弾。地下に建てられ、迷路によって部屋同士がつながれた「迷路館」。ある日、島田に届いた一冊の本「迷路館の殺人」。それは作家・鹿谷門美が自身の体験をも…

【インド倶楽部の謎・狩人の悪夢】美しいロジック

インド倶楽部の謎 国名シリーズ (講談社文庫) 作者:有栖川有栖 講談社 Amazon 作家アリス・国名シリーズ第9弾。人が生まれてから死ぬまでのすべて、前世までもが記されているという「アガスティアの葉」。そのリーディングに参加したメンバが相次いで殺され…

【暗黒館の殺人】辛口感想

暗黒館の殺人(一) (講談社文庫) 作者:綾辻行人 講談社 Amazon シリーズ第7弾。人里離れた湖の近くに建つ漆黒の館「暗黒館」。浦登一族が代々住まう館に招待された「私」。嵐が直撃する中、謎めいた人々と忌まわしき風習、そして殺人事件の謎を解き明かす話…

【館シリーズ】ギリ解ける難易度の推理小説

人形館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫) 作者:綾辻行人 講談社 Amazon シリーズ第4弾。顔がなく、どこか一ヵ所を欠落させた人形が佇む「人形館」。療養を終えた「私」は、父が残した館に母と移住した。しかし密室下でのいたずらや郵便受けに…

【鍵の掛かった男】珍しくワトソン・アリスが大活躍

鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫) 作者:有栖川有栖 幻冬舎 Amazon あるホテルに5年滞在し続けた男が、部屋で亡くなった。警察は自殺と断定したが、推理作家・有栖川有栖を経由して火村英生のもとに再調査の依頼が舞い込む。謎につつまれた男の過去を、推理作家と…

【探偵・石動戯作シリーズ】作品ごとに異なる味わい

美濃牛 探偵石動シリーズ (講談社文庫) 作者:殊能将之 講談社 Amazon シリーズ1作目。岐阜県のとある村の鍾乳洞には「病を癒す泉」があるという。その鍾乳洞の前である日、首なし死体が発見された。連鎖する殺人事件と「奇跡の泉」の探索、そして村に伝わる…

【黒い仏】これは推理小説なのだろうか?硬派なタイトルからは予想もつかないユニークな物語

黒い仏 探偵石動シリーズ (講談社文庫) 作者:殊能将之 講談社 Amazo 探偵・石動シリーズ第2弾。唐から帰国しようとした僧・円載がもたらしたとされる秘宝。その宝探しと、アパートの一室で起こった殺人事件。絡み合う両者を探偵・石動戯作が解き明かすお話。…

【戦闘妖精・雪風 アグレッサーズ】浮き彫りになる人間性と特殊性

アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風 作者:神林 長平 早川書房 Amazon 13年ぶりの新刊……!!!5月下旬に『シン・ウルトラマン』を観に行ったとき、頭の中の3割ほどが『戦闘妖精雪風』のことを考えていました。それで何気なく『雪風』を検索してみたら新刊が出てい…

【黒い家】職業バイアスと専門性

黒い家 (角川ホラー文庫) 作者:貴志 祐介 KADOKAWA Amazon 「いかに文字だけで怖さを演出するか」の参考にしたくて読み始めました。が、最初の動機なんてそっちのけでのめりこんでしまった。怖かったしおもしろかったです。「心霊現象的な怖さ」というより、…

【キャラクター】映画と小説の違い

キャラクター (小学館文庫) 作者:長崎尚志 小学館 Amazon 小説版を読みました。もう少し時間をおいてからにしたかったのですが堪えきれず。映画版との違いはラストだけかと思いきや、ストーリーの細かな部分と出てくる人物、人となりが異なります。そのため…

【屍鬼】いつか読み返したい心の殿堂入り

屍鬼(一) (新潮文庫) 作者:不由美, 小野 新潮社 Amazon 高校二年生のとき、なぜかふと気になって読みました。文庫版5巻を、二日で一気に読んだことを覚えています。二日目はほぼ徹夜で、深夜にぼろくそ泣いて呆然としたことも。そこから再読していませんし…