ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【岸辺露伴は動かない4話・5話】

漫画家・岸辺露伴が、漫画のネタ探しのためいろいろなことに首を突っ込んでは遭遇する奇妙な事件の話。


祝・映画化。ということでようやく4話以降を観ることができました。ずーっと気になっていながら脇に置いといていたのでスッキリ。
シーズン2にあたる4~6話は、それぞれ独立しながらも「六壁坂村」と呼ばれる土地を巡るお話になっているようです。

まずは4話と5話を観ました。
4話は「ランニング王に俺はなる!」な青年の話で、5話は「ゼッタイ背中見られなくないマンvs露伴先生」の巻。
露伴先生は、大ピンチ!かーらーの起死回生っぷりがアンパンマンばりだな~といつも感心のしきり。言動はヒーローというより悪役のそれですけども。
ピンチのとき、途中までは「ど、どうしよう……!?」と冷や汗流してたのに、逆転できそうになるとめちゃめちゃいい笑顔になるんだものな。相手の負けを喜ぶような、子供じみた無邪気な笑みがクセになりそうです。

しかも露伴先生、機転を利かせるときに「自分の安全」よりも「これやったらオモシロソウ」な方法を選ぶものだからサイコパスみがあるなと。
まぁ他人(特に自分と関わりのある人)にはそこそこ情もあり、他人を巻き込まないし迷惑もかけないタイプのようですが。自分で掘った墓穴はちゃんと埋めてから日常生活に戻れるサイコパスエコロジー(?)です。


ここから各話の感想。

第4話「ザ・ラン」は、真面目で勤勉な人が徐々に狂っていく様子が興味深かったです。
若干、見てはいけないものを覗き見ている興奮というか。それこそ「見るな」のタブーに触れている感じがしました。
あと、冒頭の露伴先生の所作がめっちゃセクシーで動揺。え、なに、先生どうしたの……と震えてたんですけど「肉体美」がテーマだったのかもしれません。ゲストもこれでもかというほど筋肉を見せつけてくれました。泉編集の赤チャイナもボディラインに沿っていて、うわ、かわいい、眼福、多謝……となるなどしました。


第5話「背中の正面」はゲストの演技の賜物だなと。
岸辺露伴~』に出てくる人はもちろんみんなはまり役ですけど、第5話でいっそう痛感させられたというか。まさに「怪演」という言葉がぴったり。
「他人に背中を見せない」というだけで、こんなに見ている側を不安にさせられるんですね。背中を見せないための動きすべてが尋常でなく、めちゃめちゃ怖かったです。ただ見慣れてくるとシュールな笑いになる。
すごいな、アイディア賞だな……と思いながら観てました。

ただ「怖さ」と「笑い」を表現するだけだったら、他にもうってつけな俳優さんはいるはず。でもそれだけでなく、後半では「妖艶さ」も混じってくるからこのゲストさんだったのかな~なんて思いました。
見た目はいい年したオッサン(すみません)なのに、動きがどことなく色っぽいのすごい。しかもセクシャルな感じというよりかは、やや妖しい「人外の者」めいた動きがもう、もう。ほんとすごいとしか言いようがありません。

第4話のゲスト役も、真面目でピュアそうな外見の中に、隠し切れない狂気と怒りと怪しさが漂っていると感じました。
1~3話もゲストすげぇすげぇと思ってましたが4・5話も相当だった。なんだか1~3話がまた観たくなってきました。

そして今回もよかった露伴先生と泉編集のやりとり。
露伴先生、泉さんの扱い適当なのにけっして雑ではないところがよいです。なんだかんだ泉さんのこと一目置いてるし、なんなら好きだよね……とすら思う。
もともと他人にあまり迷惑はかけないタイプの露伴先生ですが、泉さんのことは特にちゃんと守ろうとしてるなって。第5話の後半はところどころガッツポーズ。悶えすぎて言葉を失いそうになります。
わりと守られることの多い泉さんですが、ときに露伴先生の勝利の女神になるところもたまりません。いいコンビだと思います。


おそらくシーズン2の最後である第6話で、すべての元凶「六壁坂村」へ乗り込むことになるはず。4・5話を見るかぎりでは、相当ないわく付きの土地っぽいですがどうなるのか。楽しみです。ゲスト役も楽しみ。
映画も観たいです。