ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【パラノマサイト】群像劇ホラーミステリー

www.youtube.com

www.jp.square-enix.com

東京・墨田区に伝わる≪本所七不思議≫。そしてそれぞれの怪談に纏わる呪いが込められた根付≪呪詛珠≫。
呪詛珠を手に入れた人々は≪呪主≫となり、呪いの力を使ってお互いに殺し合うこととなる。すべては「蘇りの秘術」を行うため。
呪いと事件と、人々の事情が錯綜する話。


おもしろそうでずっと気になっていたゲーム。ただどんな話なのかはまったく知らず、「怪談もの」くらいの認識でいました。
まさか呪いを使ったデスゲームとは。そうか、こういう内容だったのか……と途中で頭を抱える羽目に。

なるべくネタバレせずに感想を綴っていくつもりですが、序章の内容に一部触れています少しでも面白そう、やってみたいと思った方は、ご自身でプレイされることをお勧めします!


主要登場人物はぜんぶで9人。全員が呪いの力≪呪詛珠≫を持つのかはわかりませんが、9人それぞれを主人公とした物語が展開されるようです。
実際にプレイしたのはまだほんの数名なので、おそらく序盤も序盤かと。ただそれでももうムチャムチャおもしろいです。

ゲームジャンルとしては「テキストアドベンチャー」に分類されるのでしょうか。登場人物同士の会話パートと探索、あと謎解きで構成されています。
操作説明はほとんどありませんが難しくもありません。わりと直観で動かせる。謎解きも易しめかと。
ただ謎解きについては一部、なるほどそれを使うのか!うまいな~と膝を叩きたくなるようなギミックがありました。ゲームシステムを逆手に取ったというか、ゲームならではの解き方でう~ん上手いなぁと。思わず唸らされます。

登場人物はみんな個性的で、掛け合いはコミカル。おどろおどろしい感じはさほどありません。
でも怖い。とにかく怖い
序章はほんと怖さのオンパレード。「その演出やめて!」と何度思ったことか。
その最たるは、探索パートの360度見渡せるパノラマビューにあるかと。カーソルを動かすと、登場人物の視点で辺りをぐるっと一望できます。
これの何が怖いって

絶対ふり向きたくないやつ。だってうしろに「何か」いるって丸わかりじゃないですか。
え、これほんとにふり向かなきゃいけないの?ほんとのホントに???と思わず鼻から息漏らしてました。笑えばいいとおもうよ。

こういうことが目白押しです。あと演出がうまいというか、タイミングが絶妙というか。パノラマビュー以外にもゾワッときたポイントがいくつかありました。
そのほとんどは「何が起こっているのかよくわからない」ことから来る不気味さ、怖さだと思います。
序章を終えるとある質問が投げかけられますが、その答えに「……!!?」と目を剥きました。え、どゆこと??となる。
なんとなく言わんとすること、指し示している方向はわかるものの、それが今展開されている物語とどうつながるのかがわからない。
他にも序盤から首をかしげたくなる言い回しや演出があり、不気味でゾワゾワします。と同時に先が気になるし、続きを知りたいと好奇心がかき立てられる。
操作がさほど難しくないことも相まって、早く先へ、先へとどんどん進めてしまいます。

ただ一筋縄ではいかないのが、登場人物ごとの背景やかかえる事情でしょうか。
けっこう複雑です。しかもおそらく、一見関係のない9人が何らかの形で少しずつつながっていそう。だから1人の物語も適当に読み飛ばせません。
闇雲に進めて「続きを知ればいい」わけではなく、誰がどんな事情を抱えているか、過去に何が起こったかをきちんと押さえておく必要があるかと。

1人ひとりのパートで、テイストが異なる点もおもしろいです。
序章はチュートリアルも兼ねているのか、探索や会話選択肢と怖い演出がわりと多め。ただ別の人のパートになると現実的な誘拐・殺人事件の話となり、ガラッと趣きが変わります。
今まだ4人分しかプレイしていませんが、1人ひとり本っ当に趣きが違う!そこがすごい!登場人物もみんな個性豊かで、テキストを読んでいるだけでもぜんぜん飽きません。


ややホラー要素のあるミステリー小説を読んでいるような印象。おそらく一度全体を知ってしまうと感動が薄れる作品だと思うので、ネタバレだけは踏まないように気を付けています。
とか言いつつ、ひょっとしたらネタバレ感想を上げ始めるかもしれません。まだギリ耐えられるものの、そのうち「この気持ちを吐き出したいっ……!」となるような衝撃展開が待ち受けているやも。

タイトルもちょっと不思議です。『パノラマ』じゃなく『パラノマ』なんですね。未だによくどっちかわからなくなる。
パラノイア」と同じ並び、と覚えてますがほんとに「パラノイア」が語源かもしれません。