ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ】ゲームの作り込みを改めて実感

製薬会社アンブレラ社が開発したT-ウイルスをめぐる物語。
アンブレラ社が幅を利かせるラクーンシティにて、養護施設で育ってきたクリスとクレアのレッドフィールド兄妹。くり返される人体実験の果てに汚染された街から逃げ出すため、兄妹と市警のレオン、ジルたちは協力する。


これまで原作ゲームは未プレイで、ミラ・ジョヴォヴィッチ氏が主演をつとめる実写しか映画しか観ていませんでした。それが最近になってアニメ映画3作→今作へと至ります。今作以外の感想はこちら↓
【劇場版バイオハザード(実写・アニメ)】強い女性は好きですか? - ほねぐみ

今作を観た感想はとにかく渋い!
派手なバトルやドンパチはほぼなく、街がじわじわ浸食されていく様子と主人公たちの探索・逃走が描かれます。
この探索・逃走シーンがけっこう怖い。まったく容赦なく突然バーン!と脅かしにかかってくるし、よくわからん不気味なシーンも満載。たとえば序盤に出てくる孤児院門扉のイラスト、クリス家隣家の親子、神出鬼没なクレアの「友達」など。意味不明な存在や行動は人を心底震え上がらせるいい例だな、なんて遠い目してました。
あとはカメラワークでしょうか。「誰か(何か)が主人公たちを物陰から見ている」みたいなアングルが多く、何か襲ってくるのではとヒヤヒヤものです。

また今作を渋くしているのは、登場人物たちの佇まいと貫禄だと思います。
演じた俳優陣の年齢がゲーム設定より実際高めなのかな……?キャピキャピというか浮ついた感じがなく、みんなすごく落ち着いて見えました。
と同時にしっとりとした大人の色気を漂わせているものだから(特に市警の面々)、いったい何を観させられているんだ……?と混乱しました。みんな俳優として中堅どころなのかもしれません。

そんなこんなで、渋いです(まとめ)。ゾンビと戦う『バイオハザード』でバトル要素少なめというのは、かなり思い切った作りなのでは。

思い切ったといえばレオンさん。
今作がよりゲームに近いストーリーであることや、レッドフィールド兄妹が登場することは前から知っていました。しかしまさかレオンやジルさんまで出ているとは知らず、ここで驚きその1。
さらにレオンの見た目がアニメ映画とまったく違って「!!???」だったのが驚きその2。レオン役の人、最初は成人したクリスか~かっこいいなんて思っていました。それがレオンとわかるや否や「チャラッ!」と評価が真逆になったのが我ながら可笑しかった。クリスなのかレオンかでこうも変わるのかと。

あとウェスカーの存在に終盤まで気づきませんでした。彼はミラさん主演映画のイメージが強いので、役回りにびっくり。この人こういう役だったんだ……と真実を垣間見た気がします。
だんだん自分もバイオ色に染まってきたのでは、と思うとちょっと嬉しい。


しかし改めて調べてみると、原作バイオはかなり作り込みがされているのですね。少しWikiを読んだだけでもそんなに細かな設定が……!?と慄くほど。
こうした設定と歴史を、長年のファンたちは追ってきたんだなぁと考えると感慨深い。作った人ももちろんすごいですけれど、ファンも相当と感じます。

ゲームは絶対にできない……なぜなら究極のビビリなうえ、動体視力が枯渇しており操作ボタンが覚えられないので。テキストベースのバイオがあったらやるのに、と思いましたがそれは果たしてバイオなのか。
今作に出てきた「クレアの友達」の正体など気になることが多いので、ゲームもどうにか追いたいです。