ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【ID:INVADED】早く続編が観たい(切実)

人間いつ死んでしまうかわからないので「悔いなく生きる」が日々のモットーです。ただ「この日を迎えるまで絶対死ねない」というイベントがときどきあり、その一つが「id:INVADED」関連。
アニメを観たのは放送終了後。ですが漫画はリアルタイムで追っていたので「次巻が出るまで生き延びねば……!」と毎回思ってました。まじめに。コミックスが早めに終わってくれてよかった。緊張感の続く生活とおさらばできました。

「ID」は登場人物の性格とビジュアル、ストーリー、カメラワーク、音楽と、とにかくありとあらゆる部分が良い。連続殺人鬼がもつ殺意の世界「イド」に潜り込んでのプロファイリングというコンセプトもおもしろく、毎回イドの世界で何が起こっているのか、その攻略や現実世界とのリンクをハラハラしながら見守っていました。
第一話を観終わったときはあまりの完成度の高さに「映画か……?」とエンディングを呆然と眺めていた覚えがあります。

あともう一つおもしろいのは、解き明かされるうちに殺人犯たちに感情移入してしまうところ。感情移入というか憐憫の情がわいてしまいます。これはひょっとしたら自分だけかもしれませんが……。
殺人犯たちのしたことは許しがたい。ただ、最後は必ず「なんか可哀想だな」と思ってしまいます。どうしてそう思うのかはよくわかりません。イドの世界に入って、彼らの人となりや思いを汲んでしまうからでしょうか。やっていることは「ひどい」以外のなにものでもないのに、なんだか気の毒なんだよなぁ。「許しがたい」と「可哀想」という感情が、まさか自分の中で両立するとは思いませんでした。

穴空きも墓堀りも花火師も対マンも、ジョン・ウォーカーでさえ、やっていることは通り魔。でもみんななんだか気の毒。
「ID」を観ていると、被害者だけでなく犯人たちもまた通り魔に遭ってしまったように見えるんですよね。自分の考えや行動を歪ませてしまう、正体不明の「何か」に突然行きあたってしまった。まるで狐か悪魔に憑かれたみたいに。そうした制御できないものに突き動かされ、犯行を重ねているように見える。自身の願望が生んだ衝動かもしれないとはいえ、コントロール不可能なものと付き合うのはしんどいだろうなと。
犯人たちが殺人に手を染めるのは何かしらきっかけがあって、それさえなければ今も普通に暮らしていたかもしれない。彼らの生き方・在り方を歪ませた「何か」と、それにより亡くなった人たちのことを思うと、なんだかなぁとやりきれません。
また主人公・鳴瓢も巻き込まれたうちの一人なもんだから、さらにこう、やるせない気持ちになるというか。いっとう大切な人たちを失ったから今の鳴瓢さんがいる。そう思うと、人生ってすごく残酷です。

アニメ視聴後、わりとすぐに漫画が発売したのでめちゃめちゃ嬉しかったことを覚えています。漫画を映画化してくれないかな……車の走行シーンが多いので、すごく映像映えするのでは。もし映画化したら2回は観に行きます(気が早い)。
アニメの続編もありそうですし、映画かアニメか、なんならまた漫画か、なにかしら新作情報がほしいと待ちわびる今日この頃。もし発表があったら、公開まで指折り数えて待ちます。