ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

紙のコーヒーフィルターをやめた話

かれこれ20年ほど、毎朝コーヒーを飲んでいます。
使う粉は小川珈琲店さんのもの。赤いラベルのもコクがあって好きです。

ずっと紙フィルターを使ってましたが、在庫の管理が地味にめんどう&使い捨てがもったいない……と。それでフィルターとドリッパーの一体型が気になっていました。ただ一体型も、手入れが大変そう~目詰まりしそう~と踏ん切りがつかず。

最近、紙フィルターの在庫なくなったことを機に、一体型を購入しました。

 

初めて使ったときから、もっと早くこれにすればといたく感動。紙フィルターを使っていたあの時期はなんだったの!? というくらい便利です。あと淹れたコーヒーの味も変わりました。

 

●いいところ

3つあります。コーヒーの味と目詰まりのなさ、そして淹れているときの見た目です。

まずコーヒーがおいしい。これが一番うれしかったです。粉本来の旨味が抽出されている気がして、紙フィルターで濾してた頃には戻れません。

そして掃除について。ステンレスフィルターを触るとわかりますが、目が細かいので粉が詰まることはまずないと思います。2週間使っていますが「粉が詰まってとれない!」となったことは一度もありません。スプーンやティッシュで掬うことができます。

最後に、淹れたときの見た目について。上からお湯を注ぐと、下の一段下がったところにいったん溜まっていきます。なんだか噴水みたいで、毎回飽きずに眺めてしまう。

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●気になるところ

ものすごくというわけではないものの、あえて挙げるならというところ。2つあって、でかいのと手入れに時間がかかることです。

買って見たら予想外に大きくてびっくりしました。購入前にきちんと大きさを測らなかった自分が悪いです。一人分しかいれないので、もう一回り小さくてよかった。しかし収納できますし、とりわけ不便があるわけでもなく。普通に使えています。

二つ目の「手入れに時間がかかる」のは、紙に比べたらそりゃね……と割り切っています。一分一秒も惜しい! という場合は、紙フィルターを使った方がいいと思います。

【ブレードランナー2049】生きる意味とは?

公開当時、劇場で観ました。

前作(と言ってもいいのか…)は、今作を観るために直前に視聴。ただこれといって特に感想もなく、失礼ながらあまりおもしろい気もせず……。
「2049」もさほど期待しないまま、ただ前作からどう続くのかが気になって観に行きました。

行ってよかったです。大画面で観られたこともそうですし、そもそも観に行ってよかった。心底そう思いました。

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【金田一少年の事件簿】殺意とのつき合い方

堂本剛さん主演のドラマ版から入りました。なので、原作ではじめちゃんが長髪なのに最初びっくりしたのもいい思い出。
コミックスは、20代のとき何を思ったか突如全巻購入。一番好きなのは異人館村です。何回読んでもラストで泣いてしまう。

最近の原作は、絵柄も内容も少しライトな印象ですね。とっつきやすい一方、初期の頃の「怪人」「伝承」といった設定と、犯人たちの動機が重厚で味わい深いです。犯人側の動機に、思わず共感してしまうものも多々ありました。特に印象的なのが墓場島と飛騨からくり屋敷です。

 

金田一少年に出てくる犯人たち、特に復讐を動機とする人たちは、突発的な犯行というよりも「何年もかけて入念な準備」「それくらい深い恨みつらみ」といった印象があります。
不思議なのは「なぜ殺意が風化しなかったのか」ということ。あと「なぜ隠れて行うのか」も。

 

誰かを憎い、殺してやると思ったとして、すぐ実行に移さず、時間をかけて入念に準備する。そのモチベーションはいったいどこからくるのか。またどのように保つのか。それに殺人を「想像する」ことと「実行する」ことには大きなギャップがあるでしょう。いざ仇を目の前にしたとき、躊躇うことはないのか。
とてつもなく強い憎しみで、上記の問題をすべてクリアしたというのであれば、逆に本人を目の前にしたときに、その殺意が漏れ出てしまうんじゃないかなとも思います。隠し通せるような熱量ではない気がする。それとも、殺す段階ともなると「計画したことを淡々とやるだけ」なのでしょうか。消化試合的な。

実行に移すほどの殺意を誰かに抱いたことがないので、犯人たちがいったいどんな心情だったのかが想像できません。計画を練っている間、そして実行に移す瞬間、いったい何を思っていたのか。気になります。

 

そしてもう一つ不思議なのが「なぜ隠れて行うのか」ということ。隠れてなかったら物語が成り立たない……という大前提はさておき。

殺人の動機が復讐なら、どうしてもっと堂々と行わないのか不思議。「復讐するは我にあり」と思っているなら、公開処刑してもいいのでは。それでもし捕まったら、自分の正当性を訴えればいい。現代国家で認められることはまずありませんが、「自分で自分を悪いと思う」ことと「社会の一員として罰を受ける」ことは別だと思うので。
「あいつを屠るのは正しいこと」と思っているなら隠れてなんてやりませんし、正しいと思っているからこそ屠るのでは? 少なくとも自分だったらそうします(という話を人にしたら、サイコパスと言われました。解せぬ)

 

犯人たちが隠れて行うのは、自分の復讐を悪いことと思っているからではないでしょうか。あいつが憎いし、殺されて当然と思っていても、自分の殺人も同時に悪いことと思っている。「この感情は正しいけれど、ひどい行いだし正しくない」とか、そんな複雑な感情を抱えながら生きていかざるを得ないのはすごいなと。想像を超えてます。

 

「人を殺すのは悪いこと」という当たり前のことをごく自然に思える犯人たちは、本当なら誰かを憎まず生きていけたはず。そんな人たちの心を大きくかき乱すなんて、被害者相当すごいのでは。そう思い至りました。

【リング】何が怖さを煽るのか

初めて観たのは小学生のときでした。上映されていたことはまったく知らなくて、でも親は知っていたのでしょうね。ビデオを借りてきて、家族全員で夜中に観賞。「ホラー借りるなんて珍しいなー」と暢気に思ってました。
今にして思えば、劇場で観なくて本当によかった。これ、まったく筋を知らない人が映画館で観ていたら、怖さのレベルが尋常じゃないと思う。本当に気の毒……! と合掌したくなります。

家で観たときも相当怖かったです。中盤くらいまで特に何も思わず観てて、ラストのシーンで度肝を抜かれました。何も知らなかったからだと思います。「ラストが怖い」と知っていたら、たぶんあそこまでの衝撃はありませんでした。

以来、自分の中ではホラー映画=リング、という図式になっています。

最近観返したのですけど、この作品は終盤まで、心霊現象はそこまで描かれないのですね。幻視っぽい描写はちょこちょこあるものの、びっくりポイントもほぼなし。音楽・アングル・間でひたすら怖さを演出しています。

 

びっくりポイントはびっくりポイントであって、「怖さ」とはまた違うものであると。ずっとそう思っています。

では「怖さ」とはなんなのか。ジェイソンとかエイリアンとか、いわゆる怪物に追い回されて感じる「怖い」と、怪談話に感じる「怖い」は別ものと思いつつ、怪談・幽霊に感じる「怖さ」がいったいなんなのかがわかりません。

怪物に追いかけられる方はシンプルだと思うんです。なぜなら命の危険があるから。もし捕まったらひどい目に遭うだろうし、死ぬまでの間ずっと苦痛を味わい続けなければならないかもしれない。そういった予感からくる恐怖。
「生きるか死ぬか」といった極限状態と、怪談話による恐怖は明らかに質が違っていて、後者は「よくわからないことへの怖さ」ではないかと想像しています。この「よくわからないこと」がまたよくわからなくて、たとえば携帯電話とか仕組みまったくわかりませんが、別に怖くはありません。いや世の中には怖いと感じる人もいるかもしれませんが、たぶん少数だと思います。

 

何が言いたいのか、よくわからなくなってきました。

まとめると「怪物に追われて身の危険を感じる」系の怖さと、「わけわからんことが起こってて不気味」系の怖さは別ものではないか。そして後者は描くことが難しいのではないか。以上です。

リングにも「怪物に襲われる系」のパニック・スリラー要素はありつつ、「わけわからん系」の怖さが大部分を占めています。なんとか、意図的にこの怖さを演出できないか。映像を使わず文字情報のみで、どのようにして「わけわからん怖さ」を演出できるか。最近、そればかり考えています。

 

今まで観た映画の中で「リング」を超える「ホラー作品」にはまだ出会えていません。ホラーの中のホラーだと(勝手に)思っています。

ただ「回路」も相当怖かったです。何が起こっているのかよくわかりません(そこがまた怖い)でしたが、いつかもう一度観て怖さ分析がしたい。

【ポケモンレジェンド アルセウス】ポケモン初心者によるプレイ記②

suminotosyo.hatenablog.com

上の続きです。ストーリー感想とか言っておきながら、うちの子自慢しかしていないので今度こそ感想を。
ネタバレ配慮しておりませんので、ご注意ください。

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【ポケモンレジェンド アルセウス】ポケモン初心者によるプレイ記①

ちまちまゲームしています。うそです。ガッツリやってます。のめり込んでいます。
最近はこれにばかり時間を注いでいて、ブログに書くことないなーと思ってました。だったらゲームプレイ記を書けばいいじゃない! と気づき綴ることに。

攻略ではなく、ストーリーとパーティメンバーの感想です。比率は3:7くらい。うちの子自慢をさせてください。

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【グノーシア】ユリコ様がみてる

グノーシア - Switch

グノーシア - Switch

  • プチデポット
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「マリア様が~」だと可愛らしいのに、「ユリコ様~」にすると途端に漂うホラー感。超こわい。

 

ずーっとやりたかったゲームで、Switch購入後わりとすぐにプレイしました。
つい最近Steam版も発売されたみたいで、めでたい!

 

人狼要素ありということで楽しみにしていたゲーム。ただ開始してほどなく、人狼要素はあくまでもおまけであることがわかります。
少しだけがっかりしましたが、全体的なストーリーがおもしろいのと、出てくる登場人物が魅力的かつ演出がうまくて、すぐ惹きこまれました。

 

お話がとにかくよくできてます。つながり方に美しさすら感じる。
いろいろな話のつながりがわかると、ほぅとため息が出てしまうというか。壮大な円環に宇宙を感じました。

 

登場人物はみんな好きですが、一番好きなのはなぜかラキオです。
ここが自分でも釈然としません。なんでラキオ? いや、でも好きだなラキオ…となってしまいます。

あの極彩色の鳥みたいな衣装着てるところとか。議論中に強気でグイグイ行くくせに、人望ないからすぐコールドスリープさせられるところとか。なんも発言してないのに、「とりあえず」みたいな感じでまっさきに冷凍されるところとか(自分もよく票入れました)。好きです。

最初は嫌な感じの人だと思いましたし、いやなんなら終盤まで嫌な人です。でもなんだかだんだん目が離せなくなる。すぐさま票を入れてしまいつつも、なんだかんだでラキオが好きでした。

 

あとはシピ、オトメさん、シゲミチあたりがなんとなく好きでした。わりとよくつるんでいたのはシピ・コメットです。

逆に苦手というか、敵対したときに厄介だったのがSQ・ククルシカ・夕里子様でした。

シピと沙明とオトメさんも、わりと落とせないときがあって苦戦を強いられたことを覚えています。オトメさんの泣き落とし卑怯よ……あんなん手心加えたくなるに決まっているのに。

沙明といえば、読み方ずっと「すなあき」だと思ってました。エンディングで違うことに気づき、でも未だに読み方が覚えられません……。

 

ストーリーにしてもキャラクターにしても、思うところも考えられることも多々あります。ただ言葉にしようとすると、なかなかうまくいかない。言葉にすることがなんだか無粋なようにも思てくる。そんなゲームでした。

続編が出てほしいな~と思うのと、このまま完結でもいいような気がするのと。

でも続編が出たら小躍りして喜びます。そしてもし夕里子様が続投なさったら悲鳴を上げてしまう(いろんな意味で)