ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ】感想⑤私が蝶の夢を見ていたのか、蝶が私の夢を見ていたのか

あ…ありのまま今(じゃないけど)起こったことを話すぜ。
クリア後、さっそく2周目を始めていたんです。以下ネタバレにつき折りたたみます。


「龍木編1章 半解」のNAIXにて、時雨主宰から「私のほうからひとつお尋ねしても?」と言われ、あぁそういえばそんなこともあったなーなんて思い出してました。まるで遠い昔のことのようだと。
と同時に「ニルナンバー」に思い至りあっここで使うのかー! と戦慄。鼻息あらく入力したら

ギャー!!!!!!!!!!!!

ア゛ー!!!!!!!


グァー!!!!!

ア゛ァー……

アー…………。



衝撃的すぎて、最後の方はマジでカオ●シみたいになってました。
何の心構えもなくふつうにゲームしていたところ、突然の分岐&演出だったのでクリーンヒット。スミノのHPはもうゼロよ。
ほんっとびっくりした。おどろきマンモス。1章で主宰に質問されたことなんてすっかり忘れてましたし、ニルナンバーは次作で使うのかな~なんて暢気に考えてました。んなわけないよねぇ~と今ならイリスに対する猛馬さんみたいになれる。

分岐のタイミングも演出も最高で、こういうのがやりたかったんだ……! と大満足です。たいへん沸かせていただきました。合掌。

タイトルに「異章」とあることやチャートの表示からも、この話は正規ルートではなくあくまで「可能性の一つ」ということなのでしょう。
ただ気になるのは、時雨主宰は(このルート限定だとしても)はたして「解脱した」といえるのか、ということ。

「解脱」がいったいどういった状態を指すのか知りたいです。
この世界はシミュレーション、仮初で、プログラムによって動くものだとしたら、そこから解き放たれた人はどういった挙動をするのか。なんとなく、プログラムに縛られないんだろうな~くらいの想像しかつきません。
この世界のどこにでもいて、何でもできる立ち位置につくとか? まるでネット世界に溶け込んだ草薙少佐(@攻殻機動隊)のごとく。

あと単純に、ぜんぶ龍木君の幻覚というオチもありうるなと。「胡蝶之夢」で6年間の記憶を保持していないのがいかにも幻覚っぽい。
そうした「どうとでも解釈できる」曖昧なところを制作者はあえて狙っている気がします。いいぞもっとやれ。

もう一つ気になっているのが「フレイヤー」について。
主宰の呼びかけ方や「プレイヤー」に音が似ていることからも、我々操作する側を指しているのは間違いない、はず。しきりに「龍木やみずきに言っているのではない」と断りを入れてましたし。
ただ、それならば「Q.フレイヤーですか?」「A.はい」と答えたあとも龍木を操作できるのはなぜなのか。そこが不思議でした。ふつうにフレイヤーの一人称視点に変えればいいのでは?

ひょっとしたら、フレイヤー=プレイヤーにもなんらかの制約が課されているのかもしれません。作中世界に干渉するには、その世界のキャラクターを通さねばならないとか。そして「フレイヤーが接触できるキャラクター」もごく限られていて、それが伊達さん、みずき、ネエネ、龍木なのかなとか。

上記4人は明らかのほかのキャラクターたちと異なっていると思います。
伊達さんは前作で他ルートの記憶を引き継いでましたし、今作の3人は時雨主宰からフレイヤーの情報提供を受けていました。それに異章ではみずきとネエネも正規ルートの記憶を引き継いでいるようでした。
彼らと文字通り一心同体なはずのアイボゥ、タマが同じ体験をしていないっぽいことが、捜査官4人の特殊性を際立たせていると感じます。
ひょっとしたら4人(+時雨主宰も?)は、虚構世界とフレイヤーの橋渡しをする存在なのか。

なんてことを、異章を終えて考えてました。あれこれ妄想するのが楽しすぎる。

異章の存在にただただ驚かされました。フローチャートに分岐しそうなところが見当たらなかったので、正規ルートクリアで完走したと思い込んでおり。まさかこんな伏兵が潜んでいたとは。おそろしい子……。
そしてもっとおそろしいのは、他ルートがまだあるかもしれないということ。
心当たりはまったくありませんが、目を皿のようにして探してみたいと思います。別ルートあるといいな~。