ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【プロジェクトムーン作品】自分も他人も切り拓く(物理)

suminotosyo.hatenablog.com

スマホゲーム『リンバスカンパニー』をやってます。
ダークな世界観と、敵味方問わず一癖も二癖もあるキャラクターたち。特に問題なくストーリーを追えているものの、作品をより楽しむため関連作品に手を出し始めました。


ロボトミーコーポレーション
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●ライブラリーオブルイナ
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1作目『ロボトミーコーポレーション』と、その続編『ライブラリーオブルイナ』はどちらもプロジェクトムーンという会社が作ったゲームです。『リンバスカンパニー』とは話こそつながりはないものの、世界観は同じなので両作品を理解している方がより楽しめるはず。

ロボトミー』と『ライブラリー』はどちらも実際にプレイしたかったのですが、バトル難しそう&時間かかりそう……だったので「実況動画を見る」という方法に行きつきました。南無。
今は『ライブラリー』の途中まで履修し終わったところです。


ロボトミー』は1つの会社の中での話で、登場人物たちも10人ほどしか出てきません。かなり狭い範囲のことであり、語られる話もわりと曖昧。だからか、少しおとぎ話のような印象を受けました。
一方で、続編の『ライブラリーオブルイナ』は会社から飛び出して都市の話が中心になります。登場人物もかなり多く、関係性が一気にバッと蜘蛛の巣状に広がったなと。『ロボトミー』で漂っていた閉塞感もなりを潜め、『ライブラリー』ではコミカルなやりとりが増えました。

そんな両者に共通するのは、倫理観ぶっこわれなダークな設定とシナリオ。そして戦いを通して得られるカタルシスと相互理解だと思います。
戦うことで、登場人物たちは自分の感情を発散させている。そして相手の人となりを知る。見ていると、なんだか「バトル・イズ・カウンセリング」という感じがします。戦いがカウンセリング。治療。

人々が生きる都市は病んでいて、そこで暮らす人々も病魔に侵されていて、みんな目いっぱいの苦しみを抱えている。
人と人、人と都市という複雑に絡み合い過ぎた関係を、戦いによって物理的に引きはがすというか。メスをいれるというか。まぁ戦った結果、だいたい相手は死んでしまいますが、それもまたヨシ、みたいな(よくない)。
『ライブラリーオブルイナ』はまだ試聴途中ですけど、登場人物同士の関係がだんだんわかってきました。かつ先もなんとなく読めてしまい、心の中が阿鼻叫喚です。クリフォト暴走起こしそう。

でもそんな「血で血を洗う」を地で行くストーリーがクセになります。
ロボトミー』もだいぶ酷かったですが『ルイナ』もかなりえげつない。謝肉祭、愛の町トマリー、笑う顔、ワープ列車など。よくこんな倫理観ぶっこわれな話を考えつきますね!
そんな悲惨な状況の中でも、(一部とはいえ)登場人物たちが前を向いて歩きだすストーリーがたまりません。
ロボトミー』では真エンド(?)にたどり着くため、気が遠くなるような長い長い作業をする必要がありました。その結果得られた各人の決意表明にジーンとしてしまった。
状況は酷くて何も変わっていないけれど、それでも前を向いて生きる、希望を持てざるを得ないと。フランクルの『夜と霧』を彷彿とさせます。

そしてこの前向きさは『リンバスカンパニー』でも感じるところ。みんな自分の葛藤を乗り越えた……と見せかけて途中で一回ひっくり返されそうな気もしますけど!
世界設定はダークで、都市も住んでる人々も病んでるし暴力的だし救いも何もあったもんじゃありません。ただそんな中でも、足掻くことで「明日はきっといい日になる」と「明日は無理でもいつかきっと」と思えるのがイイ。

あと曲もいいです。主にバトル曲。
『ライブラリー』の泣く子戦で流れた『And Then is Heard No More』と
『リンバスカンパニー』3章ボス戦の『Between Two Worlds』がお気に入りです。『Between~』は最初はゆったり讃美歌風なのに、だんだんアップテンポするところがテンション上がる。

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これまで語ってきたようにストーリーも曲もキャラクターもいい!
ただし戦闘がめっちゃむずいです。未だに『リンバス』の3章をクリアできていません。ボスの間に乗り込む前に手下たちにボッコボコにされるので、なんとか対策して倒したいところ。