ほねぐみ

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【トゥモロー・ウォー】明るいだけでは終わらない、シリアスかつ涙も誘われる映画

トゥモロー・ウォー

トゥモロー・ウォー

  • クリス・プラット
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元軍人の生物学教師が、30年後の2051年からやってきた使者たちに導かれ娘のために怪物たちと戦う話。


明るい映画が観たくて選びました第1弾。主演のクリス・プラット氏が好きなこともあり、ずっと気になっていた作品です。
結論から言うとそこまで明るい内容ではありませんでした。タイムトラベル!家族の絆!なかなか死なない主人公!といった王道的米国映画~という感じも漂わせつつ、戦争の負の面やシビアな現実も描かれます。単なるトリガーハッピーな内容では終わりません。

その負の面の描き方が、これまで観てきた映画と比べると少し変わっているように感じられて興味深かったです。
単に怪物たちが強すぎて戦況が芳しくないというだけでなく、そこから受ける心身のダメージがきちんと描かれます。ここまで描くのかと意外に感じました。今作のことはポジティブ寄りのSF映画と勝手に想像していたのでなおさら。気持ちとしては『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『ジュラシック・ワールド』を観るような感覚でいたんです。
どうしてここまで描くのかと不思議には思いました。ただ「戦いにおける心身のダメージと喪失」は主人公一家を取り巻くキーだと思うので、主人公たちの関係性に説得力を持たせたり話に厚みを持たせるためなのかなと想像。

全体的に、観ている側の感情を揺さぶるのがすごく上手い作りだと思います。主人公の現在の生活と戦況から漂う不穏な感じ。そして最初の戦闘でこの上なく緊張感が煽られます。
なにせ中盤にさしかかるまで怪物たちが一向に姿を見せません。本っ当に、まだか、はよ来いや!(でも来ないなら一生来ないでください)と思うほど出てこない。弓の弦を限界まで引き絞るくらいギリギリさせられます。
かと思えば、折り返しあたりで主人公が出会う人にぶわっと涙を誘われました。なのに主人公は泣かないからなんだか理不尽です。私が泣いてるんだから君も泣け!とか思いました。

そして終盤にさしかかると途端に脳筋風味となる不思議。それまでわりと繊細な味わいだったのが、とりあえずランチャーぶっ放しとけみたいな大味になるのがちょっと可笑しい。
今作をループもの、またはエイリアンものと考えると、設定にやや甘い部分があるとは思います。ただ作中で人々がこれまで受けてきた仕打ちを思うと、最後は華々しいのがふさわしい。溜まっていたストレスゲージを目減りするには、わかりやすくシンプルな方がいいのでしょう。

最後に水を差すことをば。
家族を守ろうと必死な主人公には、ちょっとついていけないと感じる部分もありました。
自分には子供がいないこともあってか、家族を一途に想う気持ちは正直あまりピンときません。ただピンとはこないなりに、本来見送られる側の親にとって「子供を見送ること」はなにより耐え難いのだろうと想像しかできません(もちろんそういう親ばかりでないことはわかってるつもり)。
いまいち腑に落ちない感覚ではありますが「この人のために」とどこまでも頑張れるのは、ちょっとうらやましいなと思いました。



写真はお土産にいただいた、じゃが・ご当地・りこです。
手羽先味」ってどうなんだろう…と疑ってかかってましたがとってもオイシイ!食べた瞬間「ウマイ!」とね●ね●ねー●ねの魔女おばさんみたいになりました。
映画とはまったく関係のない話。