ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【予告犯】就職相談窓口について

法で裁かれない悪事をネット動画で糾弾・断罪する「シンブンシ」を名乗る男。たびかさなる予告と犯行に、警視庁サイバー犯罪対策課の刑事たちが捜査に乗り出す。刑事たちとの攻防と、「シンブンシ」の真の目的が明かされていく話。


主演が生田斗真さんであること、また原作漫画の作者が筒井哲也さんだったので観ました。筒井さんの作品は昔『マンホール』を読んだことがあります。
観終わったあと思わず「オモシロカッタ……」と片言になるほど放心してました。あとラスト20~30分ずっと泣いてた。ギャン泣きです。
それもこれも話がよく練られていたのと、キャスティングがハマっていたから。「シンブンシ」たち4人とサイバー犯罪対策課の班長、そして捜査員たち。主要登場人物はもちろん、ちょい役にいたるまでめっちゃ豪華でした。そしてどの人も配役ぴったりで感情移入が半端ない。あっという間の2時間でした。
とりあえず大体みんなの願いが叶ってよかった。しかし叶わなかった人のことを考えると切ないです。

何を言ってもネタバレになるので、話は少し逸れて主人公たちが陥っていたニート・フリーター問題について。かつて就職相談機関で働いていたこともあり、身につまされました。
正直思う。2年のブランクがなんぼのもんじゃいと。
作中、就職相談窓口にて主人公がブランク(就業していない期間)2年のことを「こんな経歴じゃね~」と薄ら笑いされるシーンがありました。いやいや2年なんてブランクのうちに入らんだろうと……。しかも働けなかった理由だってありますし。
自分の勤務先がやや特殊だったというのもありますが、それにしたって理由あり・たった2年のブランクをネチネチ責めるなんてやりませんよ。
今すぐ別の窓口へ行って担当者をチェンジ、チェンジするんだ……!と念じてました。

2022年現在は、とにかくたくさんの職業相談先があります。特に東京・神奈川・埼玉の3県。
最大手は東京しごとセンターでしょうか。年齢別に窓口が分かれていて、個別相談だけでなくセミナーや長期プログラムを行っています。こちらで行っているワークスタート若者正社員チャレンジ事業はユニークな取り組みです。
※若者正社員チャレンジ事業は、埼玉・神奈川も同様のプログラムがあります。

また全国各地にある地域若者サポートステーションは、ハローワークとは違い仕事の斡旋・紹介はしません。ただ書類作成、面接対策、職業適性検査、パソコン講座といったいろんなセミナーを行っています。実際の企業での職業体験も。

吉野刑事も「助けを求めればいいでしょ!」と言っていました。ほんとそれな。
仕事探しで煮詰まったときはまず、どこかの相談機関を訪ねてみる(または電話・メールで問い合わせしてみる)ことをお勧めします。その機関の利用対象に当てはまらなくとも、より適切な相談先を案内してくれるはずなので。
まぁかく言う自分もヘルプを出すのは苦手ですが……。

利用者側の目線でいえば「どんなサービスを利用するか」以上に「どんな人に対応してもらうか」が重要でしょう。
要は担当者との相性。どんなにサービスが充実していても、対応してくれる担当者と話にくかったり、考えが合わなければ意味がありません。
話しやすい、信頼できる機関や担当者を見つけることが大事です。手間はかかりますが、プラセボなんて言葉もあるくらいですし。実際、処方してくれた医師への信頼度によって薬の効き目が変わる、なんて実験があった気がする。

過去とはいえ就職相談をしていた立場としては、彼らには別の相談先や担当者と出会ってほしかった。
でもきっとお互いに出会えて、誰にも翻弄されず自分たちの道を貫けたことが彼らにとって意義あることなのだとも思いました。