ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【メッセージ】最後にすべてがつながる、驚きのラスト

突如飛来した異性体とコミュニケーションを取るため、軍から依頼を受けた言語学者の主人公。物理学者とともに試行錯誤を重ねながら、彼らが地球へやってきた意図と目的を探っていく話。

異星体という未知なる者との手探りのコミュニケーション、合間に差し込まれる追憶、そしてそれらが綺麗にまとまってのラスト。くすぐられる知的好奇心と見事な伏線回収と、切なく美しい終わり方に脱帽です。
余韻がすごい。観終わったあと、主人公のあれやそれを考えてしばらくボーッとしてました。今も若干ぼんやりしてます。まぁもともとぼんやり気質ではありますが……。

最後の映像群が撮りためていた写真のようで、美しいと思うと同時に切ないなと。公開当時に映画館で観たという人と話す機会があったのですが、かなり話題になったそうですね。そうなるのもうなずけます。納得。
ミステリとしてもおもしろいです。「?」となるいくつものシーンが伏線となっていて、最後に回収されたときの爽快さよ。ここ最近観た映画・ドラマの中では一番驚き度が高かったです。
よく「驚きの結末」なんて言いますけど、この映画についてはまさにドンピシャ、ぴったしカンカンかと。テーマと伏線の張り方、結末とが見事にかみ合っていました。

そして異性体! 出てくるまでにけっこう時間がかかって、まだかーまだかーと焦らされてました。そういう演出なんでしょうけど人が悪い。
そして出てきた瞬間の満足度がすさまじいです。フォルムがたまらん。きっと気持ち悪いと思う人もいる、というか多数かもしれませんが、自分的にはクリーンヒットでした。ああいう手足長い系に弱いんです。フィギュアがあったら買ってました。
彼らの心持ちというか精神性、佇まいも好きで、ああいう異性体に生まれたかったなぁ、なんて。「死の過程」という言い回しも良い。

すごく満足度の高い映画でした。ただあえて言うなら、もう少し「時」について語ってくれてもよかったかも。ただそれだといくら時間があっても足りないし、長ったらしい説明ばかりになってしまいそうですが。
逆に、細かな説明など何もなしに会話と映像だけで「何が起こっていたのか」を理解させてしまえるのがすごいなぁと。
「今知った」という台詞にゾワッとしました。

あまりのおもしろさにさすが『(r)adius』の制作陣、と思いましたが、改めて調べてみると『メッセージ』と『(r)adius』は監督も脚本家もそれぞれ別の方ですね……? どの辺が「同じ制作陣」なんだろう。どちらもおもしろかったのでぜんぜんいいのですが。
『(r)adius』の感想はこちら↓

suminotosyo.hatenablog.com


『メッセージ』と同じ監督が手掛けている『ボーダーライン』も観てみたいです。実はずっと気になりつつ、暴力表現多そうと思ってしり込みしてたので。

この監督さん、『ブレードランナー2049』や『DUNE 砂の惑星』も手掛けていると知ってわかる~~~となりました。雰囲気一緒ですね。