ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【オール・ユー・ニード・イズ・キル】わかりやすく終わり方が綺麗なループもの

侵略してきた謎の異性体と、前線で戦うことになった主人公。死亡するも、目を覚ますと戦闘前に巻き戻っていた。何度死んでも巻き戻る主人公と、その謎の鍵を握るヒロインがループから脱出するためともに戦うお話。

上映時から気になっていた作品。いったい何年越しかと我ながら呆れてしまいますが、ようやく観ることが叶いました。
タイトルは日本語訳すると「あなたが欲しているのは殺しのみ」でしょうか。こわい。「あなたが欲する皆殺し」だと語呂がいいですね。どちらにせよ怖い。ただ英語にするとどことなくマイルドかつ「キル」という語感が格好よく聞こえるから不思議です。

とてもきれいに、よくまとまった作品だと感じました。主人公が戦場に行くまでの経緯、ループの始まりと「何が起こっているか」「なぜループしたか」「どう打開するか」がしっかり描かれています。かなりの情報量なのに、映像と説明とでわかりやすくかつコンパクトにまとめられているのがすごい。
正直、設定上で気になるところはあります。粗というか。「他にも同じ力を持った人がいるはず」とか「同時期に同じ能力者がいたらどうなるんだろう」とか。とはいえ、この内容をよく2時間でまとめたな! という感嘆がデカイ。
終わり方もきれいで、最後にヒロインが言ったことが活きるエンディングです。主人公の表情も納得。
あのエンディングにたどり着くまで、主人公はいったい何回死んだのだろう……何度も死んだことで常人離れした力を手に入れることができましたが、自分だったら絶対途中で心が折れる。死にゲーって、実際にやるとなるとものっそい大変だと思います。

原作小説もいつか読んでみたいです。映画とはだいぶ設定が異なりそう。


ループ作品は世に多々ありますが、初めて自分が触れたのは高畑京一郎さんの『タイム・リープ』だったでしょうか。夢中になって読んだ記憶があります。
今調べたら、上下巻ともkindle unlimited対象になってる……! いい時代になりました。


あと有名どころとしては『魔法少女まどか☆マギカ』や『STEINS;GATE』でしょうか。気にはなっているもののどちらも手にしたことがありません。特にまどマギは「ループ作品ならこれ!」と強く勧められてはいますが。
ループものの醍醐味って「掴みきれなかった全貌が徐々に明らかになる」ことと「絶望的な状況からの脱却」にあると思っています。シュタゲはどちらも満たしてそうですけど、まどマギは「脱却」部分がな! 脱却できずひたすら絶望の淵に叩き落とされそうで怖くて手が出せません。
もう少し勇気をチャージしてから挑戦したいと思います。