ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

Netflix【イカゲーム3~4.5話(※ネタバレあり)】自他の命をどんどん切り詰める

3~4話(正確には5話タイトルコールまで)観ました。
前話の感想はこちら↓

suminotosyo.hatenablog.com


以下、ネタバレしているので折りたたみます。


恐れていた間引き戦がついに勃発。展開の速さに驚き(やるとしたら第4ゲーム後くらいだと思ってた)つつ、ここでまさかの「おじいちゃん=黒幕」説が浮上!
最初は、おじいちゃん叫ぶ→フロントマンが場を収める の流れに「?」でした。しかしあとから、あっおじいちゃんが外の人に合図してたのかと気づいてゾワッ。
なんで参加者側にいるんだろう。何事も最前線で見たい某ジグソウタイプなのか……と突っ込んだところでいろいろ腑に落ちてしまいました。余命あとわずかというところとか、第1ゲームでの満面の笑みとか。黒幕と考えるとしっくりくる。

参加者の中に主催者側の仲間(内通者)がいるのでは、ということは、2話くらいで考えてました。ただ同時に、内通者を潜ませるメリットが思いつかず。せいぜい場をかき乱すとか、ゲームの流れをコントロールする役を想像してました。
第3ゲームは命からがらのクリアでしたけど、もし脱落したらズルしないでちゃんと受け入れたのかな。

そして肝心のゲームについて。
間引き戦→第3ゲームという流れがまたしても完璧すぎます。みんな見事に「相手を脱落させる」ことへの抵抗感が弱まっている……! しかも集団だと、相手チームが脱落した責任をチームメイトで分散できますし。
ここで団体戦がきたってことは、次の第4ゲームではその協力と信頼を叩き壊す内容となりそうな予感。「囚人のジレンマ(相手を裏切るか信じるか)」みたいな。おそろしや。

ゲームが折り返し地点に入り、なかなか興味深い人間関係となってきました。
まとまりつつある主人公チームと、新メンバーが入るたび「おまえ何できんだよ~ニヤニヤ」から入るチンピラチーム。そしてチンピラの手の平返し発動までが速すぎる。本人もきっと手痛い返しを受けることでしょう。
チンピラのことは、デスゲームは助け合わないと生き残れないぞ、見放されるぞ……と冷めた目で見てます。けどなんだかんだ最後には助けてもらってますね。やはり力こそすべてなのか。

一方で、人当たりの良さを発揮しセビョクさんにまで心を開かせつつある主人公・ソンさん。
彼の気づかいと優しさは元々の素質というのもありそうですけど、第2ゲームで「君のおかげ」と感謝されたから一時的に仲間愛・助け愛が高まっているだけな気がします。情に厚いタイプではあるでしょうが、ここぞというとき身体を張ってまで貫き通すことはなさそう。
母親や娘、元妻のことも同じで、大事なのは間違いない。だから何とかしたいとは思う。けれど別の問題が立ち上るとそちらに目移りしてしまうというか、物事に優先順位を付けたり先の見通しを立てたりすることが苦手に見えます。
何事もその場しのぎだし八方美人だし、問題に立ち向かうのではなく先送りにすることで切り抜けてきたから、そのツケが今回ってきたのでは。
かなりけちょんけちょんに言いましたけど、けして悪い人ではないと思います。むしろ善人(というにはちょっと抵抗ありますが)の部類に入りそう。
その善性が悪い方に発動して大惨事を引き起こさないかが心配です。あとしっかりした倫理観・信念を持っていなさそうだから、何か大きな選択を迫られたときどうするのかなぁと。セビョクさんだけは裏切ってくれるな。

ストーリーには関係ありませんが、登場人物みんな歯が綺麗で、見えると少し嬉しくなってしまいます。
生活レベルが如実に表れるのはおそらく歯。ゲーム参加者のほとんどが貧困世帯っぽいので、本当だったらもっと歯並びが悪かったり黒ずんだりしていてもおかしくありません。でもみんなすごく綺麗だから「ほんとはいい生活してる(役者さんだもの)んだよね」とほんわかした気持ちになる。
チンピラ男性が真っ白いきれいな歯を剥き出しにするたび、思わずふふっと笑ってしまいます。