ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

Netflix【イカゲーム1~2話】自他の命がどんどん軽くなる

Netflixで配信されている全9話のドラマ。いろんな事情で多額のお金を必要とする総勢456人が、賞金獲得のため命を賭けて6つのゲームに挑むお話。

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上にリンクを貼っておきながらなんですが、事前に予告を観ていなくて「デスゲーム」ということ以外何も知らずにいました。タイトルから勝手に「イカのクリーチャーがゲームを牛耳ってて、主人公たちに『生き残りたければ~』と無理難題ふっかけてくる」なんて思ってたくらいです。知らないってコワイ。
だから1話冒頭からタイトルの由来が語られているの、すっごくありがたかったです。謎はすべて解けた。

2話まで観ました。一話につき一時間とボリュームがあり、情報量も多くて連続視聴が難しいです。でも続きが気になる。
ここまではまだまだ準備運動という印象。主要登場人物が「なぜ」命がけのゲームに参加したのか、断れなかった(断らなかった)のか、経緯が丁寧に描かれている。この描き方が本っ当にうまい!

個々の事情もさることながら、勧誘シーンが鳥肌。いきなり「こういうゲームあるんで参加しませんか~?」ではなく、軽いジャブ入れて参加のハードル下げてくるのすごい。誘導が巧みすぎる。
あの勧誘~本参加までの流れが完璧だと思います。相対するエージェントたちも「この人適性あるかな?」と見極めにきてる感満載ですし。自分をどこまで犠牲にできるか、勝敗にこだわるか、お金に執着するか、きっとものすごく観察してたんだろうな。
この「勧誘回」があったから、本参加のときに誰一人として「脱落」の意味を問わなかったのかなとも思いました。みんな参加するのめっちゃ怪しんでたのに「負けたらどうなるか」確認しないの不思議でしたけど、勧誘回のおかげで「負けてもあの程度のペナルティ」くらいに思い込んでいたのでは。

そして参加者誰も突っ込まなかったですけど、「一人=1億ウォン」で賞金が「総額456臆ウォン」ってことは、最後の一人になるまでゲームするってこと? 正気??? 単なる理論最高額ってだけならいいのですが。
あと参加者が大部屋なの、いつかゲーム時間外に「間引き(寝てる間の暗殺など)」が起こりそうで怖いなと思いました。これからどういうゲームが行われていくか、何人まで生き残れるのかわかりませんが、生き残りは少なければ少ないほどいいわけで……大部屋なのもあえて暗殺を誘っている気がします。
あと他にも、スタッフも借金のカタで働かされてるのかなーとか、貯金箱がブタさんだー(韓国にもあるんですね)とか、気になることが細々。

すでに登場人物の数名に入れ込んでしまっているので、おじいちゃん、インド系青年、スリの人には生き残ってほしい。チンピラ男性はどっちでもいいです。
スリの人のずる賢さは元々というより、環境要因がかなり大きそうで切ない。苦労してきたんだろうなぁ。
ゲームの性質も相まって難しいでしょうけど、彼女はいつか「他人を頼る」ことができるといいなと思いました。もし裏切られてしまっても「仕方ない」と苦笑できるような人間関係が築けるといい。

ところで2話の、幕間の投票~終盤までの流れにかなり驚きました。
主催者側、何考えてるんだろう。きっと次のゲームでは「より覚悟を決めた者たち」を集めたいという腹積もりもあるのでしょう。でもチンピラ男性のように準備しようとする人が出てくるし、かなりリスクが高まるはず。実際、刑事さんのような人もいるわけですし。
主催者側は何を考えているのか、何が目的なのか。単にデスゲームを眺め楽しむ以上の目的があるのか、参加者側のあれこれも想定済みとして眺めているのか。
なんとなく勝手に、これまで何度もこのゲームは開催されたのだと思ってました。でもなんだかこれが最初で最後っぽい……? 一度きりだから、このゲームさえ開催できればあとは野となれ山となれ精神なのかもしれません。

あれこれ推測しながら、毎日二話くらいずつ観ていけたらいいです。でもラスト三話は息つく間もなく一気見してしまう予感。