ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【キャラクター】映画と小説の違い

小説版を読みました。もう少し時間をおいてからにしたかったのですが堪えきれず。

映画版との違いはラストだけかと思いきや、ストーリーの細かな部分と出てくる人物、人となりが異なります。そのため、なんだか別の話みたいに感じられました。映画は見栄え重視、小説は細かなストーリー運びと人物描写重視といった感じでしょうか。
媒体に合わせてここまで変えていいのだと、勉強になりました。「見せ方」や「重きのおきどころ」が変わってくるのがおもしろいです。

小説版だと、風景描写と人物の生い立ち・心理描写があるので、映画ではよくわからなかった点も補完できます。ただページ数は多くありませんし、書き方はあっさり薄味めで少し物足りなさも。自分とは何か、悪意とは、また現実とはと興味深いテーマばかりなので、心理・状況描写がもう少し欲しかったです。

そして気になっていた「主演2人がラストに何を考えていたか?」は、わかってよかった点と見込みが外れてしょんぼりした点とがあり。しょんぼりポイントの「しょんぼり度」が自分の中でけっこう大きく、いま回復に努めているところです。回復できるかな……。

あとすごくおもしろいと感じたのは、小説だと両角君の存在が薄いところ。小説版だと両角君、実はぜんぶ山城先生の妄想なのではないかという感じがします。リアリティが薄いというか。生い立ちもわかるし、なんなら両角君視点の描写もあるのに、存在が疑わしい。
映画版だと台詞もあまりないし、なに考えているかもわかりません。それなのに、映画版の方が存在感があることが不思議です。実在の俳優さんが演じているからかもしれません。