ほねぐみ

本、映画、ゲームの感想など徒然

【レイジングループ】近年一番ゾクゾクしたゲーム

プレイしたのはたしか2019年くらいです。

もともとゲームはあまりしない、というよりクリアまでたどり着けないことが多い自分ですが「レイジングループ」はのっけからのめり込んでしまい、睡眠時間を削ったことを覚えています。

記憶を消して、なんとかもう一度最初からできないか。真剣にそう思うくらい、素晴らしい作品でした。この作品をまだ知らない人が、うらやましくて仕方ありません。

 

このゲームの何が素晴らしいかというと、自分は「魅力的な登場人物」と「詰められたロジック」だと思います。

まず大前提として、このゲームはいわゆる人狼が取り入れられています。ただ「狼に噛まれる」ことも「村人から追放される」ことも、現実での本当の死を意味していて、だからみんな必死に考え行動します。

狼は本当に自分の手で村人を殺しますし、村人たちも追放するときは自分たちの手を汚します。そして朝になって「誰が狼に噛まれたか(殺されたか)」を確認するときの緊張感。
日中に行われる議論だって「とりあえずこの人を追放しよう」と気軽に言えません。追放とは、相手が死んでしまうことだからです。

登場人物たちのほとんどは顔見知り同士で、小さいころから付き合いのある人や、中には恋愛感情を寄せている人だっています。そうした中で相手を疑わざるをえない苦しさと、逆に疑われたときの悲しみ。でも疑われる=自分の死なので、狼役も村人役もみんな必死です。

 

そうした緊張感の中から生まれる、冷たいくらい徹底的なロジックと、ときどき混ざる感情論。特に狼役を探る日中の会議が、緊迫感と理屈の応酬で、読み応えがすさまじいんです。情報処理量が半端じゃない。
相手を疑うときも疑いを晴らすときも、みんな理屈で勝負します。でもやっぱり人間なので、ときどき、相手への「情」とか「先入観」が見え隠れして、この按配が素晴らしい。

そして推理物の醍醐味として、話の先が読めたときの高揚感。

本当に、もう、言葉にならないほどの震えが何度走ったことか。
ストーリーは全体を通さないと明かされないことや、何周かしてはじめて理解できることもあり、「あのときのこれはそういう意味だったのか!」がわかると最っっっ高に気持ちいいです。ゾクゾクしました。

 

登場人物は多いですが自然と誰なのか覚えられますし、性格や、他の人たちとの関係性も徐々にわかってきます。
しかも掛け合いが楽しい。見ていて飽きません。

自分は、主人公とヒロインが初めて出会って、飲むシーンでこのゲームに引き込まれました。たしかそこまでは、体験版で遊べたはず。

今だとNintendo Switch版もあり、最初のルートが丸々無料体験できるようです。

store-jp.nintendo.com

 

人狼系のゲームで、ここまで見事なロジックで構成されたものは初めてでした。
なんとか同じくらいの情報推理戦を味わえる作品がないかと探していますが、いまだお目にかかったことがありません。単純に、接するゲーム量の少なさと、探し方の問題でしょうけれど。

とはいえ、「ダンガンロンパ」のような探索推理もの(?)とも一線を画したゲームだと思います。